当日の朝に年次有給休暇を申し出た場合に拒否することは可能でしょうか。あるいは時季変更権を行使することは可能でしょうか。 [労務管理]

事情は様々ですが、当日の出勤前の朝に電話連絡で年次有給休暇の取得を申し出る場合があります。

就業規則上、年次有給休暇の申し出をもっとも遅い場合であっても、「前日まで」としているところがほとんどではないでしょうか。「当日」が法律上許されないというわけではありませんが、労務管理上、当日に言われても当日の労働者で直ちに勤務体制を整えるのは「困難」と考えられます。

したがって、「困難」という状況にあれば、当然に年次有給休暇の時季を変更する権利を事業主が行使することは可能と考えられます。

ただし、ここで注意が必要です。たとえ当日であっても、勤務体制が整うのであれば「事業の正常な運営を妨げる」とは言えないので、「当日である」ということだけで時季変更権を行使することはできないと考えられます。

とはいうものの、当日申し出は社会常識(欠如している人が増えているのですが・・・)から考えるといかがなものかと思いますね。身内の不幸や急病など斟酌すべき事情があれば別ですが、各事業所において就業規則に定める年次有給休暇の申し出期限は、事業所の事情に合わせて設定していると思いますので、日ごろのコミュニケーションにおいて、従業員の理解とルール順守を啓蒙していくことが肝要と思います。

いずれにしても、当日申し出には「熱く」ならず、冷静に事情をヒアリングしてから対応をしてください。
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労働基準法施行規則等の一部を改正する通達が公布され、労働基準法第15条における労働条件の明示事項に有期労働契約の締結、更新等に関する所要の改正がされます。 [労務管理]

「有期労働契約の継続・終了に係る予測可能性と納得性を高め、もって紛争の防止に資するため」として、今回の労働基準法施行規則(以下、施行規則)等の一部を改正する通達が公布されました。

通達はこちら↓
http://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/roudoukijun/keiyaku/meiji/dl/h241026-2.pdf#search='%E5%9F%BA%E7%99%BA%EF%BC%91%EF%BC%90%EF%BC%92%EF%BC%96%E7%AC%AC%EF%BC%92%E5%8F%B7'

労働契約法の改正に伴い、有期労働契約者の契約満了時の雇止めトラブルは増加するものと考えられます。できるだけトラブルを回避するためにこれまで平成15年の厚生労働省告示第357号で示されていた、「有期労働契約の締結、更新及び雇止めに関する基準」を労働基準法第15条における、書面で明示すべき労働条件に加えたということになります。

基準については現在、明記されていない事業所が依然多いですから早期に対応を図られるべきと思います。明記することは会社と労働者双方に有益ですから、是非ともご対応ください。

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遅刻をする労働者を「大目に見る」等、その対応が疎かな企業は労務管理力が弱い体質と思えます。1分2分の遅刻であっても目くじらを立ててください。 [労務管理]

最近の世の人の気質なのでしょうか、関与先の企業の労務担当者と話していても平気で遅刻をする労働者が結構いますし、企業側も大目にみるところが増えているように思えます。

何事によらず時間に対してルーズな人は様々なミスや事故を起こしがちです。ミスは積み重なれば大きな事故につながり取り返しのつかないことになります。

「5分遅刻したから5分遅く退勤します」という話ではありません。会社のルールを守らせることを常日頃から訓練しておかないと、組織力は向上しません。

なんだか労務管理と違う方向に行っていますが、マネジメントの基本ではないでしょうか。

「工場労働者のように集団でラインの仕事をする会社ならいざ知らず、個別で結果を求められる仕事に5分程度の時間まで管理されたくない」との声も聞こえてきそうですが、この程度のルールを順守できない方に限って結果は残せないものです。

さて、労務管理の話。

5分程度を欠務控除するのも大げさな話です(先ほどの話ではないですが、休憩時間や退勤時間で賃金の調整は必要でしょう)が、「遅刻した」事実については、本人に書面(欠務報告書)にて報告させ、記録として残しておくことが不可欠です。

もちろん事業所側も「改善」について指導を行い、その記録を残してください。指導にもかかわらず、度々、遅刻を繰り返すようであれば「解雇」や「懲戒」の対象とすべきでしょう。

労働者は労働契約の本旨に則り信義誠実に労務を提供する義務を負っています。遅刻は立派な義務違反です。繰り返すようであれば労働契約を解除するに足る立派な理由となり得ます。

たかが遅刻と思わず、毅然とした態度で臨んでください。
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改正労働契約法の施行日が平成25年4月1日となりました。 [労務管理]

施行日が未定となっておりました改正労働契約法でしたが、閣議決定を経て来年4月1日をもって施行日とすることが決定しました。(「雇止め法理の法定化」については、すでに交付日において同日8月10日を施行日としています。)

これにより、改正部分の「5年超の有期労働契約の無期労働契約の転換」に関する法律の5年をカウントする基準である法施行日が明確になりました。

つまり、平成25年4月1日以降に契約期間が開始するものからカウントが始まります。

どうぞ皆様、就業規則、雇用契約書などの変更後準備をお願いいたします。



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パートなどの非正規労働者について退職金を支給しないのであれば、支給しないと雇用契約書に明示してください。明記していないと正社員と同様に支払いを求められる可能性があります。 [労務管理]

就業規則、雇用契約書の相談をいただいたときに必ずチェックするところがあります。

就業規則の除外規定です。

正社員の就業規則に「パート、アルバイトなど臨時で雇用するものの労働条件は別に定める」との記載があるか否かです。特に賞与や、退職金の支給について正社員に限定している場合は要注意です。

この場合、パート、アルバイトの就業規則を見て、賞与、退職金について「支給しない」と明記していればよいのですが、記載がない場合や「この就業規則に記載のない事項については正社員の就業規則に準じる」などご丁寧に記載している場合は直ちに変更をお願いしています。

上記の場合、たとえ雇用契約書に「賞与、退職金を支給しない」と記載していても、労働者から賞与や退職金を求められると支給せざるを得なくなる可能性がありますのでご注意ください。

支払うモノ、支払わないモノ、あるいは対象となる制度(休職など)、対象とならない制度ははっきりとルール(就業規則)として明記しておくことが「会社を守る」ということになります。

あってはならないことですが、パート、アルバイト、嘱託社員を雇用しているにも関わらず、それらの職種の方を対象とした就業規則を作っていない事業所がまだまだ多いのが現実です。
「10人未満だから作っていない」では危機管理としては疎かです。たとえ10人未満でも作成し、労働基準監督署に届出しておくことをお勧めします。(10人未満だからと言って届出を受理しないということはありません。)
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履歴書ってその人の人間性がわかる指標です。だから手書きの履歴書を提出させてください。 [労務管理]

最近、パソコンで作成した履歴書が多くなって来ましたよね。

実は、この手の履歴書は情報が結構少ないんです。

古いと言われそうですが、履歴書は手書きのもので提出させてください。

字は下手でも一生懸命書いているとその人柄はわかるものです。
誤字を修正ペンで消したり、ペンで二重線で消したままだったりではいい加減な性格が見えてきます。
文字の頭が揃っていない人は気持ちにムラがあるなど、色んな情報が詰まっています。

優秀な人材を獲得するには企業サイドにも工夫が必要です。

たかが履歴書と思わず、よく見てくださいね。

労働判例には、くれぐれもご注意下さい。社長が正しいと思ったら決然として行動を起こしましょう。 [労務管理]

我々同業者にもいますが、労働紛争に関する裁判判決事例、いわゆる労働判例オタク(少々、失礼かもしれませんがご容赦を)と言われる方が世にいらっしゃいます。

事業主に正しいアドバイスをしていただけるのであればいいのですが、「こういう判例があるからその解雇は無効になりますからダメです」とやみくもに判例だけで判断をする方がいます。

判例はあくまで参考情報に過ぎません。自分の会社に全く同じ判決が下る訳ではありません。一万人規模の企業の判例が十人程度の従業員規模の会社に必ずしも当てはまる訳はないでしょう?

社長は判例を参考と思って、ご自分が「正しい!」と思ったことを行動に移すべきです。そして、その行動を起こす前に手続きに不備がないかを社会保険労務士にアドバイスを受けてください。
きっとご満足のいただける回答が得られますよ。

障害者の方の法定雇用率が平成25年4月1日から引き上げられます。これまでの56人から50人以上に1人に変わります。 [労務管理]

平成25年4月1日からこれまでの障害者の方の法定雇用率が一般事業所の場合、1.8%から2.0%に引き上げられます。

これにより、これまで56人以上につき1人の雇用義務でしたが、50人以上につき1人に変わります。

平成22年7月から常用労働者が201名の事業所には法定雇用率未達成の場合、1人につき月5万円(特例で平成27年6月まで4万円)の納付金が課せられていますが、障害者の方の雇用を増やさないと未達成人数が増えますのでご注意ください。

例えば、201名の会社の場合、これまで3名でしたが、来年4月1日からは4名の1名増になります。現状の3名のままにしていますと年間で48万円の納付金を納入しなければなりませんので、障害者の方の採用に早めに着手してください。

障害者の方の人数のカウントについては、さまざまな取り決めがありますので、詳しくは社会保険労務士にお尋ねください。
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年末調整の時季です。扶養控除申告書など従業員から個人情報満載の資料を受け付ける場合、その管理には十分ご注意ください。 [労務管理]

年末調整の時季に限ったわけではないのですが、総務や人事のスタッフは仕事柄、従業員の個人情報に関わる重要な資料などを扱わなければなりません。

昨今は、個人情報に神経質な方が増えていますので、その管理には慎重さが求められます。「漏えい」などは論外ですが、「預かった個人情報の届出資料がどこかに行ったので、もう一度提出してほしい。」といった場合、一昔ならいざ知らず、今時では大きなトラブルになりかねません。

規模が大きくなり、「労働者が増え、出入りが激しくなり、対応に漏れが生じる。」「営業所、支店が増え、各所の責任者が不慣れなため管理が疎かになる。」というような状況下に前述のような事態が起こり得ます。

このような事態を避けるためにも、
①管理簿を作成する。
②労働者、上司、部署長、人事担当者などの受け渡し者の受取印(もしくはサイン)を徹底。
③個人情報資料の紛失、盗難予防のため、鍵がついた保管庫を用意する。
④郵送する場合は受け取りを確認できる方法で送る。
等の環境整備をすべきです。

「渡した」「もらっていない」というやり取りは担当者として恥ずべき状況です。少々厳しい言い方ですが、くれぐれも管理には細心の注意を払ってください。
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法律で義務付けられていない特別休暇を年次有給休暇と別に設けている会社が多いのですが、それって必要ですか。 [労務管理]

「本人が結婚した場合に4日」、「父母が亡くなった場合に3日」など、いわゆる「特別休暇」を福利厚生制度として設定している会社がかなり多くみられます。

就業規則の見直しを依頼される際に、私はいつも事業主に「これって、本当に必要ですか?」と確認するようにしています。

年次有給休暇の取得促進が進んでいる会社で、不測の事態(それこそ「父母の死去の際」など)で別途休暇が必要な際の福利厚生(欠勤では配慮に欠けているから)として設定しているのであれば理解ができますが、年次有給休暇が満足に取得できない会社が別途「特別休暇」を与えることに意味があるのかと疑問に思うからです。

年次有給休暇は労働基準法において事業主から付与され、いつ取得するかの時季を指定する権利を労働者が有するものです。しかし、「特別休暇」は法律上何ら権利保護されているわけではありませんので、なくても問題はないのです。

その「特別休暇」に賃金まで支給して取得し、かたや年次有給休暇の取得は進んでいないのはどうも本末転倒のように思えてなりません。

「本人の結婚」や「父母の死去」といった場合には年次有給休暇を使ってもらえば良いのです。法律上権利が保障されている年次有給休暇の取得促進を図る方が本来の法律の趣旨に沿うものではないでしょうか。


「今まであった『特別休暇』という労働条件を廃止するのは不利益変更では?」というご意見もあります。確かに不利益変更ではあると思います。しかしながら、企業にとっての必要性をよく考えて判断をしていただきたいと思います。

バブルの古き良き時代の制度を残すか、残さないのか。従業員とよく話し合って解決をしてください。頻度は極めて少ないのですから、「特別休暇」枠としてではなくなっても従業員にとって大きな影響はないはずです。従業員から同意をいただいて解消することは何ら問題はありません。一度、ご検討いただければと思います。
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