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戦略的労務管理のすすめ25 [品川トピックス]

続いて労働時間に関する考え方です。

今年は「労働時間管理の大変革」元年と考えています。(多分に個人的な思いですが・・・)[目]
<<これについては後日、別コーナーを設けてコメントしたいと思います。>>


この数年の内に「労働時間管理」を見直さなければ事業所は優秀な人材から見向きもされなくなりますし、労働者も「働き方」を変えなければ、生産性の低いいわゆる「ローパフォーマー」とみなされ低賃金のままか、悪くすれば労働契約を解除される可能性がありということです。



戦後、日本ではこれまで、「時間外労働、休日労働は働く以上、あってあたりまえ」という風潮がありました。しかし、昨今、時間外労働、休日労働を含めた長時間労働により、体調を崩しうつ病などの精神疾患を発症する労働者が増えていることで社会問題化しており、長時間労働の解消に真剣に向き合おうとする事業所が増えてきています。


そもそも、時間外労働や休日労働とは労働基準法上はどういうものなのでしょうか。[ひらめき]

労働基準法第32条において「『週40時間』『1日8時間』を超えて労働させてはならない」としています。また、第35条において「毎週少くとも1回の休日を与えなければならない。」としています。
つまり、これらの条文により時間外労働、休日労働は禁止されているのです。これが「原則」ということです。

しかしながら、労働基準法第36条により、労使協定を労働者代表等と締結すれば法定の上限の範囲内であれば時間外労働と休日労働をしても良いということにしています。

つまり、本来は時間外労働や休日労働は労働基準法違反なので法律に則って罰を受けるですが、36条の手続きをすれば罰を免じるというものです。これを難しい言葉で「36条の免罰効果」というものです。

ちなみに欧州においては、この免罰効果がない国があります。つまり、「時間外労働、休日労働は違法なのでできない。」というもので、実際に時間外労働や休日労働は行われていないわけです。


先ほど、「長時間労働の解消に真剣に向き合おうとする」動きがあると申し上げましたが、欧州と比べて労働に対する文化や意識の違う日本で、欧州のようにいきなり「時間外労働、休日労働をゼロにする」という取り組みが導入できるとは思いませんし、法律を変更することもにわかには難しいと思います。

また、巷では「ホワイトカラー・エクゼンプション」という簡単に言うと「労働時間の制約を受けずに成果を重視」する制度の導入を政府が検討している報道があります。しかし、この制度は対象職種や年収などに条件があり、導入されても、従来の労働時間管理に大きな変化はないと思います。

では、今後日本においてどのような労働時間管理が必要なのでしょうか。

それは、「①所定労働時間で仕事を完了し、②生産性向上により目標以上の成果を生み出し、かつ③個人の私生活の時間が充実し、それが仕事の質の向上につながる。」ように事業所と従業員が協力して、これまでの「働き方」を変えるということではないでしょうか。


それでは次回に少々掘り下げて開設したいと思います。
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戦略的労務管理のすすめ24 [品川トピックス]

「どこでも通用する」人事育成を進めるときに注意すべきことがあります。[目]

それは、人事教育において「どこでも通用する」を志向するあまり、自社独特の環境や歴史、そして文化の上に成り立ってきた仕事の進め方を、場合によっては完全に破壊してしまうことがあるということを認識することです。

完全に破壊し、一般的で標準的な進め方を導入することで生産性が向上し、成果が増加するのであればよいのですが、現場が混乱し収益が低下するようであれば本末転倒と言わざるを得ません。[バッド(下向き矢印)]

あくまでも自社の「やり方」と一般的な「やり方」を客観的に分析して、従業員を指導育成することが大切です。

「この仕事は他の会社では最初のこういう手順を踏んで進めていくのだけれど、わが社はこういう事情があるので、一般的先にこの部分を行ってから次にこの仕事をします。」といった感じでしょうか。

要するに一般的な「やり方」が基本ということになります。「何事も基本が大切」です。自社独自の「やり方」も最初は一般的な「やり方」から始まっている筈です。
一般的な「やり方」を進めていく過程で諸事情により、独自の「やり方」に変わってきたと思います。[ハートたち(複数ハート)]

基本がわかっていなければ、独自の「やり方」に変わった経緯を推測することはできません。また、独自の「やり方」が行き詰まったときに修正することが困難になります。

元に戻りますが、「どこでも通用する」を志向することは、独自路線の否定ではないのでお間違えのないように。[わーい(嬉しい顔)]




戦略的労務管理のすすめ23 [品川トピックス]

人材育成は
①「どこでも通用するスキルを身に着けさせる」という大きな視点で、事業所サイドがどのように企画するか、そして、
②自らが「どこでも通用するスキルを身に着ける」ために努力をしている従業員を事業所としてどのようにサポートできるか
といったことが重要であると前回までにお話ししました。[目]

では、会社が企画する人材育成、つまり具体的な人事教育ってどうあるべきでしょうか。[ひらめき]

一般に人事教育というのは「OJT」と「OffJT」に分かれますね。御存知と思いますが簡単に言いますと、

「OJT」は職場での実務において上司や先輩従業員から指導をうけること。
「OffJT」は職場から離れて、講師から専門的な技能や知識の教育を受けること。

になります。

「OJT」は実務が中心ですので、どうしてもその事業所独自の職務の進め方を教育指導することになります。
「どこでも通用する」という視点から外れるようですが、これは独自のやり方を教えるという進め方で良いと思います。「OJT」はいち早く職場での業務を修得することが目的ですから、一般論にこだわる必要はありません。

ただ、教える側は「このやり方にウチ独自のやり方で、一般には他の会社では別のやり方をしている」ということを知っておくことが大切です。
知っておくことによって、「一般にはこういう進め方をするが、ウチはこういう事業上の事情があってこの方法をとっている」といった、教える際に伝え方が変わって来るのです。

「OffJT」についても、各事業単体で行う場合は前述の「一般論」を踏まえて説明することが大切ですが、折角ですから出来るだけ事業所外部のセミナーに参加させることをお勧めします。[るんるん]

「事業所独自」というバイアスが一切掛かりませんから、参加する従業員には自社の仕事の進め方と一般事業所の進め方を比較することができます。

このような「気付き」は、「どこでも通用する」を志向する従業員だけでなく、参加させている事業所にとっても、自社の仕事の進め方を見直す情報源になりますから、積極的に行うべきです。[グッド(上向き矢印)]
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戦略的労務管理のすすめ22 [品川トピックス]

人材育成のお話のつづきです。

「どの会社でもどの業界でも通用する」という視点で人材育成するということを前回、申し上げました。
[ぴかぴか(新しい)]

でも、やはり会社が積極的に自分の会社から離れてしまう人材を育てるのは抵抗があります。[ふらふら]
また、会社の方で「どこでも通用する」人材育成をしているつもりでも、あくまでも自社発信の研修ですから、内容はどうしても限定的になってしい、受け手の労働者には満足のいくものにはならない可能性があります。


さて、そもそも論になりますが、労働者側から考えると「どこでも通用する」スキルを身に着けることって会社で教育してもらわないことでしょうかね。(前回からの話と矛盾しますが・・・)[目]

昨今の社会情勢から、意識の高い労働者は会社外の時間を使って、自ら「どこでも通用する」スキルを身に着ける行動を起こしていますね。

出勤前に早朝に開催されるスキルアップセミナーに参加したり、通信講座で資格を取得したりと「自分の身は自分で守る」といったところでしょうか。[グッド(上向き矢印)]


すなわち、「どこでも通用する」という視点で会社は人事育成を心掛けることにくわえて、労働者自身も「どこでも通用する」スキルを身に着けるように日々研鑽する。そして、会社はそういったスキルアップを図る労働者を支援することが大切になりますね。
つまり、社外学習に時間を充てられるように個人ごとに「ノー残業デー」を設定出来るなど勤務時間に配慮をするといった対応を図ることです。

こういう視点で人材育成を図るべきではないでしょうか。[黒ハート]
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解雇トラブルの金銭解決の適正額とは [品川トピックス]

「解雇トラブルを金銭解決ありきで語るのはけしからん」というお叱りの声が労働者側からは聞こえてきますが・・・。[むかっ(怒り)]

確かにそうなんです。「落ち度のない労働者が不当な解雇により、会社を辞めざるを得ないことが理不尽なのだから元通りに会社に戻れるようにする」のがあるべき解決の姿だと思います。[るんるん]

しかし、現実には一度会社と法廷(もしくは民事調停や民間ADRなど)で争った場合は、争いに勝ったとしても元の職場で仕事をするのは精神的に大変のようです。お互いの誤解が晴れて、心のわだかまりが完全に解消できれば別ですが、そうでもない限り心につながりを元に戻すのは困難なようです。

このような状態で職場に復帰しても、元のようなクオリティーを仕事で発揮するのは少々難しいのではないでしょうか。

となれば、解雇トラブルを金銭で解決する筋道を法制化することは必要な気がします。

かくいう私もこれまでに幾度となく顧問先の解雇トラブルに立ち会ってきましたが、すべて金銭解決です。
労使どちらも「納得」に至るものではありませんが、裁判によらず早期に解決できることはやはり双方にとってメリットがあります。

では、その解決金の金額はいくらぐらいなのでしょう?[ふくろ]

昨日の日本経済新聞の「経済教室」ではヨーロッパ各国の水準を参考に、日本での法制化におけるポイントを示唆していました。[exclamation&question]

体験からの私なりの見解ですが、重要な要素は「解雇理由の正当性の度合い」になります。
①根拠の希薄な無茶苦茶な理由で解雇した場合
解決金は「天井知らず」になります。

②一方、根拠は明白だが、それを証明する客観的な証拠がない、あるいは乏しい場合
裁判で争った場合に「解雇無効」とされる可能性が高いので、解決金の金額はある程度、労働者側に譲歩する必要があります。

③根拠が明白で、且つそれを裏付ける客観的な証拠が豊富な場合
裁判に持ち込まれても「解雇有効」の可能性が高く、解決金を支払う必要は無いと思いますが、早期に解決したいのであればわずかながらでも解決金を支払って争いを終了する方が良い場合があります。

その他には勤続年数や職位によっても変わってきます。以上のことを踏まえて、ご検討いただければと思います。

とはいえ、やはり解雇はトラブルにならないのが一番です。やむを得ず、解雇を考えている場合は通知をする前に社会保険労務士といった専門家に相談してからにしてください。[黒ハート]

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戦略的労務管理のすすめ21 [品川トピックス]

11月以降、年末年始の業務量の多さにアップが中断しておりました。申し訳ございません。[眠い(睡眠)]

「戦略的」に労務管理を進めるには、「戦略的」に人材育成をしていかなければなりません。
では、人材育成において必要な「戦略的」視点は何か?

「わが社の10年後、20年後を担ってもらう人材に育てる」というフレーズは変わっていませんが、「わが社の企業文化、事業内容に精通し、更にわが社の事業を発展させるた人材を育てる」といった一種の「ガラパゴス」的な視点での人事教育はもう通用しないようです。[失恋]

一つの企業で「終身雇用」が保障できないのが現実です。40、50歳になってから、今まで勤めた会社にしか通用しないスキルしか持っていない状態で、その会社から放り出されればこんなに酷な話はないでしょうね。

「わが社にのみ」通用する人材ではなく「どの会社、どの業種、どの国」でも通用する人材に育てることが必要ですよね。[ハートたち(複数ハート)]

「そんな人材に育ったら他の会社に引き抜かれる」という心配もありますが、その会社にしか通用しない人材しかいない会社って先が見えてるのではないですかね。

大丈夫です。「どこでも通用する」人材を育てている会社は「どこでも通用する」優秀な人材も集まってきます。[わーい(嬉しい顔)]

「労働力の流動化」は進んでいます。「流動化」を自分の会社に有利に機能させることが、むしろこれから必要なのではないでしょうか。[ひらめき]
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「戦略的労務管理のすすめ」間もなく、再開します。 [品川トピックス]

品川トピックス「戦略的労務管理のすすめ」を間もなく、再開します。

セミナーと労務コンサルティングが続きましたので、ストップしておりました。

近日中に再開しますので、何卒ご容赦ください!
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戦略的労務管理のすすめ20 [品川トピックス]

少しだけ前回の捕捉

残業代、有給休暇等を加味して全体の人件費を意識して基本給を設定しましょうと言いましたが、その結果として現在在籍している労働者の基本給を下げるケースが出てきたとします。
これ「不利益変更」になります。[バッド(下向き矢印)]

「不利益変更」の場合、事業主が勝手に行うと労働者と紛争が生じたときに「無効」とされる可能性があります。[がく~(落胆した顔)]

これから採用する方はいいですが、既に働いている方の基本給を下げるときは、本人と良く話し合い、個別に同意を得てからにしてください。

さて、本題。

賃金を人件費視点で設定することが基本であると言いましたが、労働者の賃金は入社してから最長で定年を迎えるまで変化していきます。

通常通り賃金が上昇するケースを想定し、横軸に年齢、縦軸に年齢ごとの賃金額とした場合に形成される曲線を「賃金カーブ」と言います。

この「賃金カーブ」は事業所によって違いますし、労働者によっても当然異なります。

今回のお話で重要なのは事業所の「賃金カーブ」。

事業所の賃金規程を見て自分の会社の「賃金カーブ」をイメージできるかということです。

これがわかると労働者は「この会社で働けば30歳のときは、いくらの賃金がもらえる。」ということがイメージできるわけです。[揺れるハート]

これって結構、重要なことなんです。

つまり、労働者にとって「安心感」が芽生え、定着率の向上に繋がるからです♪

「40歳でいくらの賃金がもらえるかわからない。」って、結構不安ですからね。[ふらふら]

事業所の規模に関わらず、「賃金カーブ」の設計をすることが重要になりますので、是非ご検討ください

戦略的労務管理のすすめ [品川トピックス]

引き続き「人件費」のはなし[ふくろ]

労働者に支払う賃金の内、忘れてならないのが「残業代」ですね。[夜]

労働者に時間外労働を命じておきながら、「残業代」つまり「時間外手当」を支払っていないのは本末転倒です。
よく「残業代含めて基本給〇〇円と労働者に説明し、了解の上働いてもらっている。」といわれる事業主の方がいらっしゃいますが、これ、労働審判や通常裁判では全く通用しません。[ドコモポイント]
労働契約書が存在しても同じです。

「固定残業代」を支払う事業所がありますが、これも色々と落とし穴があるので運用には注意です。

「固定残業代」は毎月時間外労働〇時間分を時間外労働のあるなしに関わらず、定額で支払うものですが、その時間分を超えて時間外労働をした場合は差額を支払うことが条件となっています。
従って、例えば極端な場合1年を通じてほとんどが設定時間内に時間外労働がおさまっていて、ある月だけ数時間超えたけれども、差額を支払わなかった場合はもともとの「固定残業代」の取り決めが無効とみなされ、すべての月の時間外労働を計算して支払えという判断をされる場合があります。[がく~(落胆した顔)]

したがって「残業代」というのは毎月、計算して支払うのがもっとも理想的です。
(面倒かもしれませんが・・・)

そこで賃金の組み立てをどうするかですが、毎月の時間外労働時間を過去の実績から想定することから「残業代」の見込みを算出してください。
この場合、当然「ダラダラ残業」「指示なし残業」といった使用者の管理外の時間外労働を排除しておく必要があります。(無駄な賃金を支払う必要はありませんからね。)[黒ハート]

「残業代」を見込むことができれば、事業所の支払い能力を勘案して「基本給」「諸手当」の賃金総額を設定できます。

結果として算出した「基本給」等が世間相場的に低くて、「人が集まらない」ということが考えられるかもしれません。その原因としては、時間外労働が相当長時間で想定しているのではないでしょうか。
そうなれば、時間外労働の削減といった課題を解決する必要がありますね。

「基本給」は相場なみ、「残業代」はキチンと計算してくれる、「時間外労働」は負担にならない程度。といったことを総合的にとらえて労働者は求人を見ています。

奥の奥まで考えて労働条件を設定しましょう![わーい(嬉しい顔)]
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戦略的労務管理のすすめ18 [品川トピックス]

もう少しだけ「人件費」の話。

「人件費」の中で大きなウェイトを占めるのが、社会保険料。

健康保険、厚生年金保険を合わせると賃金の13%ほどの事業所負担が発生します。

これが結構、事業所サイドには重荷になっていますね。[バッド(下向き矢印)]

しかも厚生年金保険料は料率が当面、年々アップします。

あまりに負担がきついので、フルタイムのパート、アルバイトの加入を行わない事業所がありますが、これは絶対にNGです

どうしても負担を軽減したいのであれば、パート、アルバイトをフルタイムではなく、労働時間を通常の労働者の4分の3未満で募集するしかありません。
(これも法改正で対象となる労働時間を引き下げようとする動きがありますので、いつまで効果があるか期待薄ですが)

また、高額賃金を受け取っている労働者を対象に、賞与を保険料対象の上限を超えて支給し、月例賃金を低くして全体の支払保険料を軽減する方法を行っている事業所がありますが、これも将来受け取る年金額に影響が出てしまう可能性がありますので、安易に行うことはあまりお勧めできません。

いずれにしても、社会保険料は「支払わない」というわけにはいきませんので、一体どの程度支払わなくてはならないのか、将来、賃金を引き上げていった場合にどの程度の負担が増えるのかを想定しておくことが重要ですね。
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