「労使慣行」という名の既得権にはご注意を。 [労務管理]

「労使慣行」とか「労使慣例」という聞きなれない言葉。要するにルールとして文書に記載されていなくても、職場で当たり前のように反復して行われていて、みんながそのルールを認識し、運用している場合は立派な権利義務を有する規則になるというものです。

「ご注意を」と申し上げるのは、文書(ここでは就業規則)に書いていないからといって、みんなが使っているルールを不都合だからと言って一方的にやめさせると前回のブログの「不利益変更」となってしまうからです。

先日も労務相談でありましたが、「年次有給休暇とは別に突然の私的な事情での午後からの休みを、職場の上司の判断で認め、しかも賃金を差し引かないというものがある。当初は、年に2回程度であったが月に4回以上も使用するものが出てきて収拾がつかなくなり、取りやめようと思うのだが差支えないか。」という内容です。

これはかなりの年数が運用されていますから「労使慣行」とされかねないルールです。したがって、一方的に取りやめることができません。従業員と話し合って、回数の上限を決めるか、年次有給休暇の取得促進に移行するするかといった助言をいたしましたが、ことほど左様に職場任せでルールを作らせるのは危険です。

従いまして、職場で「ちょっと気になるなあ」というルールを発見した場合は、「労使慣行」化する前に消滅させるか、良いルールと思うのであれば思い切って就業規則に明文化することをお勧めします。
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