育児休業法の「所定外労働の免除」を事業主が拒否できる「事業の正常な運営を妨げる場合」って、どんなケース?一応、考え方は提示されていますが・・・。 [労務管理]

改正育児・介護休業法において、3歳未満の子を養育する労働者が所定外労働(残業)の免除を申し出た場合、事業主は対応することが義務付けられました。ただし、「事業の正常な運営を妨げる場合」はこの申し出を拒否することができます。

実はこの、「事業の正常な運営を妨げる場合」という言葉が厄介なのです。年次有給休暇の時季を事業主が変更することができるとされるときにも、この「事業の正常な運営を妨げる場合」が使われます。なんでもOKのように思えますがとても適用範囲は狭いのです。年次有給休暇については国から「通達」が出され、かなり具体的に「こういう場合」というのが解説されていますが、育児の場合の「所定労働外の免除」は少し漠然としています。

厚生労働省が発行している冊子「育児・介護休業法のあらまし」では、「事業の正常な運営を妨げる場合」について、「その労働者の所属する事業所を基準として、その労働者の担当する作業の内容、作業の繁閑、代替要員の配置の難易等諸般の事情を考慮して客観的に判断すること」としています。
私なりに解釈しますと、
労働者の所属する事業所を基準:会社全体ではなく、支店、営業所という単位で考えてよいということ。そして、その支店などの個別の事情(本社の応援までを考慮する必要が無い)を基準とすればよいということ。
労働者の担当する作業の内容:業務に特殊能力が求められ、その労働者が所定労働時間外においてもいなければ事業活動に大きな影響が出てしまう。
作業の繁閑:特に受注が多い時季で所定外労働をしなければ、対応できないという事情がある。
代替要員の配置の難易:人員的に余裕が無く、同じ事業所内のスタッフで配置換えをしても対応することができない状態にある。
以上のようなことではないかと考えられます。

いずれにしても、年次有給休暇と同じように「事業の正常な運営を妨げる場合」と判断されるには少しハードルが高そうなので、運用は慎重に考えてください。
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