「道路が込んだら困るので予定より2時間早く出発したい」というドライバーの申し出。この時間は「拘束時間」に算入されます。 [労務管理]

先日、ある運送会社の社長とのお話。

「うちのドライバー、朝7時から出発の荷主先にも、道が混んでなくて走りやすいからと言って朝5時から出発する。そして、早めについて荷主先で待っているのだけれど2時間多く労働時間が発生しているということなんでしょう。」

このケース、早めに荷主先について営業時間前であれば、どこかで休憩を取っている状態ですから、休憩時間がまるまる2時間であれば、労働時間から除外できます。しかし、荷主先の営業時間中に到着し、荷主の都合で納品の待機をさせられれば待っている時間は「手待ち時間」となり、労働時間に算入されます。

早く出発しても、パーキングエリアで休憩して時間調整すれば労働時間に算入する必要はありませんし、そのまま荷主先に到着、納品し早く出発した2時間分早く帰ってくれば、これも問題はないでしょう。

さて、もう一つこのケースで注意しておくことがあります。2時間早く出発し、時間調整でトラックを止めて休憩したとしても、会社に戻ってくる時間が当初の予定通りであれば、「労働時間」が所定の8時間であっても「拘束時間」は2時間多くなります。

義務付けられている「運行点呼簿」は実際の出発時間と帰着時間を記入しなければなりませんから、「拘束時間」は2時間多い状態です。

トラック運転手の方は労働大臣告示により「自動車運転手の労働時間等の改善のための基準」(いわゆる「改善基準」により、原則としてこの「拘束時間」を1か月あたり293時間以内にしなければなりません。

ドライバーさんとしては、自分にとっても会社にとっても「良かれ」と思い、効率の良い時間に運転を心掛けていると思うのですが、「改善基準」の問題があることを注意すべきです。

このような早め出発をしても「改善基準」293時間以内であれば問題は問題ありませんが、万が一、恒常的に超過しているのであれば、出発時間の順守などの対策を講じる必要がありますね。
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