就業規則に不可欠なもの、それは「信賞必罰」です。 [労務管理]

「信賞必罰」とは、功績ある人は褒め称え、罪をおかしたものには罰を与えるということです。

と書きますと、「表彰・制裁」規程のことと思われますが、昨今は就業規則に結構きっちりと記載されているので今回は割愛しますね。

ここでは「処遇」のことです。

簡単です。頑張っている人には賃金や地位で報いますということです。
「功あるものには禄(ロク:給金のこと)を」「能あるものには席(地位)を」という言葉が分かりやすいでしょうか?
逆に怠けて結果を残せないと賃金も下がり、地位も失うということです。

実は、この「処遇」のルールを就業規則に明記している会社が少ないように思えます。

怒るときは怒る。誉めるときは誉める。他人を雇うにはこれらは非常に重要です。是々非々を明確にして、従業員をコントロールすることですね。

しかし、管理者をその上役が指導教育するときは、くれぐれも目下の前でやるべきではありませんのでご注意下さい。

一般企業の平均年収は約400万円。月33万円。公務員はいくらなんでしょう? [新聞解説]

300万円以下が4割を締め、年収1000万円の人数が増えている、つまり所得格差が拡がっているということです。

さて、タイトルの公務員の方の年収ですが、平均で700万円くらいという情報もあるようですね。

ここでは、公務員さんの年収が民間より多いから「けしからん」ということが言いたいわけではありません。

公務員さんの給与はかつては民間と格差が広がらないように調整していたのですが、バブル崩壊以降は民間の給与が上がらず、公務員さんの給与が実質的な比較対照を失う中、上がって行き逆に差が拡がっているようです。

要するにバブル経済が崩壊せず、「失われた20年」がなければ民間も公務員さんのレベルは維持していたのではと感じました。

いずれにしても、「たら・れば」ですが、一刻も速い経済の回復を願うばかりです。

シルバー人材派遣で作業中にケガ。労災も健保も使えない? [新聞解説]

リタイアした高齢者の方がシルバー人材センターの紹介で、街の清掃や不法駐輪車の撤去などの作業に従事しています。

今回の新聞記事は「この作業中にケガをしても労災にならないし、健康保険も使えない。従って治療費は全額個人負担。」というのは国の制度の不備だから健保の適用を認めろと被災した高齢者が訴えたというものです。

ケースは違いますが、これってよくある事案です。

労災が認められないというのは、事象として起こり得ることです。その場合は健保がカバーするようになっています。何故なら国家が「皆保険」制度をとっており、全国民を強制的に何らかの保険制度に加入させています。

だから、悪質な故意でもない限りケガや病気をして病院で治療を受けても窓口で三割だけ負担すればよいことになっています。

今回のように健保が使えないのはあってはならないし、国の制度の不備を指摘されても仕方ありません。当然、訴えが認められると思います。

納得がいかないのは国民が訴訟を起こさなけれならないほど、制度の不備を聴いて解決してくれる場がないことです。
弱い立場の国民を追い詰めてはいけないと思いますね。

来年1月1日から源泉所得税に0.21%がオンされるってご存知ですか。 [コーヒーブレイク]

我々、士(サムライ)業はお客様から報酬をいただく際に10%所得税を源泉控除していただいています。

そこに来年から震災復興財源に充てるため、所得税に0.21オン、つまり10000円の報酬であれば、これまで1000円の源泉徴収でしたが、1021円になるということです。

震災復興に充てられるのであれば喜んで負担いたしますが、これまでの政府の動きを見ていると我々の血税が被災者の方まで本当に届くのか不安です。

被災者に喜んでもらってこそ生きるのが税金ですからね。役人のムダ使いの穴埋めに使われるのだけはごめんです。
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「O-157」に感染した従業員を就業禁止にした場合は、会社は賃金を保障すべきか? [労務管理]

「O-157」等、法律で就業が禁止されている感染症に罹患した従業員を出勤停止にした場合、「使用者の責に帰すべき事由」に該当しないので、労働基準法第26条の「休業手当」を支給する必要はありません。

しかし、法律で就業禁止対象外の感染症に罹患した場合に、会社が大事をとって出勤を差し止めた場合は「使用者の責に帰すべき事由」にあたり「休業手当」を支給しなければなりません。

この場合の実務的な話ですが、「休業手当」が平均賃金の60%になるので本人の同意(強要はできません)を得て、年次有給休暇の取得に充て100%の賃金を保障する方法をとる場合が多いようです。

ただし、長期間になると年次有給休暇の消化を嫌がる従業員もいますので、慎重に対応する必要がありますね。

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雇用保険・社会保険の手続き、電子申請だと早いの?そうでもないの? [雑感]

当事務所において、雇用保険・社会保険手続きのほとんどを電子申請で行っています。

何故かといいますと、「便利」だからです。ハローワークや年金事務所を訪問する必要がなくPCだけで処理できるので時間的な余裕が生まれます。

最初、慣れるのに時間がかかりますが、すぐに習得できます。(もっとも、当事務所は優秀なスタッフが対応しますので、私は最近触っていませんが)


さて、ここで「電子申請にすれば処理が速いのか、遅いのか」という問題です。

電子申請をしたことがない方は「PCが自動的に処理するから速いのでは」と思っていませんか。実は結構アナログなんですよ。つまり、各役所の担当者がPCの画面を開いて内容の確認をしながら入力をしているのです。間違いや疑義があれば担当者から電話確認があり、その後処理されるといった流れですね。だから、機械的に処理されるより確実は確実と思います。

そうそう、「速いか、遅いか」ですよね。

役所での処理が「通常通り」であれば、役所への移動時間が無くなりますので「速い」ということになります。問題は「通常通り」でない事態が生じるということです。

社会保険(健康保険・厚生年金保険)については、各都道府県に日本年金機構の「事務センター」があり、多くのスタッフが事務処理をしていますので、システムにトラブルがなければ「通常通り」処理されます。

課題はハローワーク(ハローワークの方、ごめんなさい)なんです。雇用保険の場合は各所轄のハローワーク(公共職業安定所)の電子申請担当者(1~3人)が処理しています。彼らは窓口業務も兼務していますから、窓口が混雑しているとき(例えば4月)は窓口対応に追われるので、どうしても遅れがちです。また、一人しかいない担当者が病気で欠勤した場合は完全にストップします。この状態ではやはり「遅い」と感じてしまいます。

これは担当者に問題があるのではなく、ハローワーク組織に体制上の問題があるということです。

こればかりは我々では対応できませんから、当事務所では雇用保険の被保険者資格取得は処理が遅くなっても資格取得日には大きな影響はありませんから気長に待つようにしています。一方、資格喪失については退職従業員に迷惑がかからないよう4月等の処理が滞る可能性がある時期は窓口に持っていって処理をしています。

「電子申請の意味がない」とのご意見もありますが、過渡期と考え今は「環境が改善することを待つしかない」と思っております。事実、電子申請開始当初のことを考えれば、格段に良くなっていますからね。

別に政府の電子申請推進に肩を持つわけではありませんが、これから電子申請をお考えの方は上記のことを踏まえて利用してくださいね。
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有休付与の条件「8割出勤」。労災の休業はどう扱うのか。 [労務管理]

年次有給休暇(以下、年休)を付与するに際し、その直前1年間(入社時は6か月)の出勤率が8割以上であることが前提条件になります。

出勤率が8割無ければ、あらたな年休は付与されませんが、従業員の方は様々な事情で休業しますから出勤率計算には注意が必要です。

労災の休業や産前産後休暇、育児休業、そして年休。これらについては、その日数を労働すべき日として扱いますが、休業した日は「出勤した日」としてみなして計算します。つまり、この期間の出勤率は100%になります。

一方、災害などの不可抗力や会社の責に帰すべき自由による休業、ストライキ、休日労働日については、労働すべき日として算入しませんし、「出勤した日」としても取扱いしませんので、この期間は計算対象外になります。(それ以外の日で出勤率を計算します。)

生理休暇や休職期間については、労働すべき日として参入しますが、その日を「出勤した日」とみなすか否かは事業所の自由になります。「出勤した日」とみなせば出勤率は上がりますが、「出勤した日」と取り扱わなければ当然出勤率は下がります。

実態としては、生理休暇は半々くらい、休職についてはその自由が「従業員の私傷病」によるものは「出勤した日」として取り扱わず、「出向など会社命令」の場合は「出勤した日」として取り扱っているようです。

いずれにしても、会社判断で「出勤した日」と取り扱うか否かは就業規則に明記しておくべきでしょう。
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今回の法改正、5年超の期間労働者が正社員となるわけではありません。しかし、 [雑感]

今ひとつ、つかみどころがないのが今回の法改正です。

契約の更新により5年を超えると有期契約労働者が申込みすることで無期契約に変わるわけですが、かといって正社員に身分変更さるわけではありません。

1日5時間、週3日の短時間労働という形態で働いている方は、短時間労働であることについては変わらないわけです。もちろん、本人が通常のフルタイム労働に変更してほしいといっても応じるか否かは事業所の自由になります。

一方、正社員と変わらないフルタイムで働いているアルバイトの方はどうなるのでしょう。年齢や職務や職種が同じであれば正社員と同様に賃金などの労働条件を不合理に扱ってはならないとしていますので、契約期間があるかないかの違いだけになります。

つまり、上記のような有期契約フルタイムアルバイトが5年を超えると、無期契約のアルバイトとはいえ、実態としては正社員と何ら変わることがなくなるわけです。

となれば、当然考えられるのはフルタイムで働いているアルバイトの契約が5年を超える前(早ければ次の契約更新時)に短時間労働の雇用契約に変更するということです。

有期契約者をにわかには契約満了で雇止めできないわけですから、事実上の正社員化を防ぐことは事業所サイドからすれば当然の防衛策です。「勤務内容が違う、職務内容が違う」などの理由で労働条件を同一にしないという手段です。

結局は労働者も事業所も大きなプラスにはならず、リスクを背負う形になる法改正のような気がします。




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会社の器物を不注意で破損させた従業員に修理費を請求できるか。 [労務管理]

製造業など生産機械を従業員が不注意で破損させ、一時使用不能になった場合にどこまで従業員に修理代や使用不能により生じた損害(売上減など)を請求できるかといった相談をいただきました。

不注意の度合いにもよるでしょうが、100%を従業員に求めるのは難しいと考えられます。

不注意による機械の故障を生じさせないように従業員に機械操作等の注意喚起や指導教育をどの程度施したかや、機械の構造上の問題などから従業員の過失割合が決まります。

故意に近いような過失がない限りは100%損害賠償をさせるのは困難と思います。

また、就業規則においても服務規律に「機械の取り扱いを大切に行う」といった条文があるか、また、損害が生じた場合に賠償を求める旨の規定があるかも重要になります。

こういった規定が整備されていないと賠償請求が認められない場合がありますのでご注意ください。

もちろん、「従業員が服務規律に違反し機械器具を損傷させた場合は、その度合いに関わらず50万円の賠償をしなければならない。」といった規則は労働基準法第16条「賠償予定の禁止」に該当しますのでただちに訂正してください。
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年次有給休暇の基準日を統一するときは労働基準法の付与日数を下回らないようにご注意を [労務管理]

年次有給休暇の付与に当たっては、入社6か月後を「基準日」として、その後毎年「基準日」に直前1年間の出勤率を踏まえて行います。

過去のように、4/1に一斉入社という会社が少なくなり、通年で採用をしていると入社日がバラバラで「基準日」も従業員によって違うということが発生してきました。

そこで年次有給休暇の付与管理をしやすくするために、統一した「基準日」を設定する会社が増えてきています。

これ自体は労働基準法39条に抵触するわけではありませんが、法律の付与日数を下回ることが無いようにしなければなりません。

つまり、その会社の「基準日」が10/1の場合に、11/1入社の方の年次有給休暇の付与を来年の10/1までに行わないのは違法になります。逆に入社時に10日付与し、来年の10/1に11日付与であれば問題はないということになります。

結論から言いますと「基準日」を統一することは問題ありませんが、運用上は従業員に有利益に取り扱う必要がありますからそれを理解しておかなければなりません。したがって、顧問先様にはあまりお勧めしていないのです。「基準日」をバラバラで管理するのは、当初は大変かもしれませんが、管理台帳をつくる、給与ソフトを使うなどで対応は可能です。

統一管理する場合は上記のことをご留意いただければと思います。
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